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俳句

俳句とは、座っていても立ったままでも寝ていてさえも、何時でも何処でも構わずに、
一人だけでも仲間とも、紙と鉛筆さえあれば自由に作れるものです。

その上に、ご馳走を食べたり、お酒を飲んだり、旅をしながらでもと自由自在です。
難しく考えずに、感じるままの自然を、俳句にして楽しみましょう。

新宿「安具楽俳句会」

新宿西口の高層ビルの中にあるサッポロビールのお店「安具楽」を会場とする俳句会です。
この店名を考案した元サッポロビールの渡辺審さん(昭33経)が世話役であり、
そのため塾員が多数この句会に参加しています。

句会は毎月一度の開催で、会員はそれぞれ五句を投句して、互いに選句を行い、
最後に先生の選句と特選句が発表されて、添削があります。
選句の集計により高点者を表賞し、全員の得点を年間累計し再度の表賞があります。

◎新宿「安具楽俳句会の記録」 ◎「安具楽俳句会の先生」 ◎俳句の関連サイト

ご参加希望はメールでお寄せ願います。会則等の詳細をお伝えします。

インターネット三田会管理者

平成二十年五月句会

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五月の句  行方 克巳

急ぐなき一布衣われの薄暑かな

父の掌のすなはち我が掌柏餅

椎の花ひとにうとまれ人を恋ひ

母の日の落書が母よろこばす  

そそくさと出て母の日の小買物  

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特選句

ネクタイをゆるめて丸の内薄暑     (九犀)   

バス停の小さき日かげ夕薄暑      (丘風子)  添削:バス停の小さな日かげ夕薄暑

すれ違ふ肩のとがりて夕薄暑       (庸子)   添削:すれ違ふ肩のとがりて街薄暑  

水音に足とどめたる薄暑かな      (まや)

小走りに新橋あたり街薄暑         (啓之)   添削:小走りに新橋あたり夕薄暑

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入選句

母に日や母のブローチ留めてみる    (遊)    

若葉映ゆ白き卓布やエスカルゴ     (遊)    添削:若葉して白き卓布やエスカルゴ

菖蒲湯の胸乳をつつく葉先かな     (遊) 

軽暖のスクランブルを渡しけり     (遊)    添削:軽暖のスクランブルを渡りけり  

母の日やエステの予約贈らるる     (きみ子)  添削:母の日や母のエステを予約する

若葉風窓開け放ち外房線         (きみ子)  添削:外房線窓開け放ち若葉風

爺居眠り婆はうたた寝薄暑かな       (きみ子)

この一枚着たり脱いだり薄暑かな    (きみ子)  

行間に睡魔をるらし春の昼       (まや) 

春惜しむ能面の口動きたり       (まや)

背負はれし蛙の先に泳ぎ出し      (まや)

母の日の我にひとつの謀        (智子)   

制服のボタンを外し街薄暑       (智子)

Gジャンを羽織り飛び出す夜の薄暑   (智子)   

母の日や母に言われしどちらさま    (流石)   添削:母の日や母に言はれしどちらさま

ノッカーが一番元気夕薄暑       (流石)  

曇天に力をためて椎若葉        (庸子)   

椎若葉息の苦しくなって来し      (庸子)

足音の猛々しさよ賀茂競馬       (けん詞)

母の日や化粧もせずに髪束ね      (けん詞)

チューリップ自堕落に咲き街薄暑    (九犀)   添削:チューリップ自堕落に揺れ街薄暑

上着手に往きき交ふ人や街薄暑     (おさむ) 

平成二十年四月句会

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四月の句  行方 克巳

つまみたる笑くぼ二つや蓬餅 

生涯の寄居虫(ガウナ)の借のかろがろと

修羅仏の眉根の春の愁ひかな

寄居虫の可愛がられて海恋し

寄居虫のポイと身をなげ忘れ汐

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特選句

水底の蝌蚪の影亦泳ぎをり       (啓之)   添削:水底の蝌蚪の影亦泳ぎ出す

やどかりをにぎる手のひらこそばゆい  (啓之)

竦みてはがうなの走る潮溜       (九犀)    

寄居蟲の波に転げる渚かな       (丘風子)

そこら中散らかしてゐる垣繕ひ     (遊)    添削:そこら中散らかして垣繕へる

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入選句

母の忌や蓬麩少し甘く煮へ       (きみ子)  添削:母の忌や蓬麩少し甘く煮て

しがらみを捨てきれぬ如寄居虫     (きみ子)  添削:寄居虫もわれもしがらみ捨てきれぬ

猫の穴残し繕う垣根かな        (誠次郎)

和菓子屋は一家総出の蓬摘み      (誠次郎)  添削:和菓子屋の一家総出の蓬摘み

団子屋に蓬の一字墨太く        (流石)

すこし歩きすこし休みて春の杖     (流石)   添削:すこし歩きすこし休みて春ひと日

門柱にたばこを預け垣繕ふ       (庸子)

石転ぶ音の淋しき寄居虫かな      (庸子)   添削:石に転ぶ音の淋しき寄居虫かな

垣手入縄目きりりと仕上がりし     (九犀)

蓬つむわが袖にもや明日香風      (九犀)   添削:蓬つむわが袖たもと明日香風

紀三井寺磴の上なる花篝        (おさむ)

寄居虫の突つけば貝になりにけり    (おさむ)

鯉の尾に打たれて蝌蚪のちりぢりに   (啓之)

朝市のお国言葉や蓬餅         (教子)

寄居蟲の時に怒りの声洩らす      (智子)

口笛の誰か呼ぶらし暮の春       (たけを)  添削:口笛の誰か呼ぶらし春の暮

新しいき縄の結び目垣手入れ      (節子)

建仁寺繕ふ古老生き生きと       (正太)   添削:建仁寺垣を繕ふ古老かな

垣手入時折猫の振り返る        (けん詞)  添削:垣手入時折猫の猫の通りけり

エプロンの似合う子愛とし蓬摘み    (桂紫)   添削:エプロンの似合ふ子愛し蓬摘む

いつよりかフェンスの中の蓬生(ウ)に   (遊)

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平成二十年三月句会

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三月の句  行方 克巳

北窓を開けて一水走らしむ

義絶の本家見ゆる北窓開きけり

つくしんぼ匍匐前進もう止めよ

背水の陣のばらけてつくしんぼ

トロ箱根に鎬を削る鰆かな

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特選句

本箱をずらし北窓開けにけり      (遊)

北窓を開け戸袋に闇仕舞ふ       (九犀

北窓を霞が浦へ開け放ち        (まや)    

北窓を開けて明るき母の部屋      (丘風子)

啓蟄や水帰りきし酒匂川        (九犀

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入選句

北窓を開けて仏具を磨きをり      (庸子) 

北窓を開けて潮目を見てをりぬ     (庸子)   

惚けたるつくしんぼうの青い息     (庸子)

孫連れて母のふるさと土筆つむ     (庸子)  

つくしんぼ一本見つけつぎつぎと    (庸子)    

おじちゃんと呼ばれ知らぬ子つくしんぼ (流石)  

読みかけの本に土筆の栞りかな     (流石)

北窓を開けて筑波の瘤ふたつ      (流石)

梅ひらく脇道多き城下町        (たけを)  添削:白梅や脇道多き城下町

昨日けふ北窓開きそびれたる      (たけを)

神饌の鰊担ひで磴のぼり        (たけを)  添削:神饌の鰊担いで磴のぼり

土筆んぼ見つけて母呼ぶ舌足らず    (けん詞)  添削:土筆んぼ見つけ母呼ぶ舌足らず

丸ごとの鰆に包丁入れあぐね      (けん詞)

お水取り俄か信者の火の粉飛ぶ     (けん詞)

御陵(ミササギ)に衛士のごとく土筆立つ   (世志也)  添削:御陵(ミササギ)の衛士のごとくにつくしんぼ

北窓が開き聞こえるショパンかな    (世志也)

土筆摘む蒸気機関車やり過し      (丘風子)

うなずいてただ首肯いて土筆食ぶ    (丘風子)

漸(ヨウヨ)うに北窓開く土埃        (正太)  

庭菜園収穫物の土筆かな        (正太)  

煮浸しの土筆小鉢にこんもりと     (遊)   添削:煮浸しの土筆小鉢にひとつまみ

ジェラシイも生きてゐてこそ豆の花   (遊)

土筆無数兼六園の石垣に        (啓之)   添削:つくしんぼ兼六園の石垣に

夜もすがら水を吐きゐる蜆かな     (啓之)

北窓を開けて谺か言霊か        (まや)  

気楽なる関西住ひ鰆焼く        (智子)

日溜りにつくしの惚けゐたりけり    (九犀)

多摩川の土手に土筆を摘みし頃      (きみ子)

食べ時を測りて鰆味噌に漬け      (誠次郎)

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平成二十年二月句会

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二月の句  行方 克巳

犬ふぐり咲いてこの畦通せんぼ

犬ふぐり天地またたきそめしかな

身のうちに心の臓あり冴返る

引っ剥(ペ)がす暦いちまい冴返る

釣嫌ひ公魚釣を見てゐたる

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特選句

雪達磨ありし処の雪残る        (啓之)  添削:雪達磨ありし処に残る雪

冴返る鞄を閉じし郵便夫        (桂紫)  添削:冴返る鞄パチンと郵便夫

冴え返る険しい顔がすれ違う      (誠次郎) 添削:冴返る険しい顔がすれ違ふ    

犬ふぐり矢切の土手の日溜りに     (流石)

咲き出しぬ一塊の犬ふぐり       (遊)

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入選句

いぬふぐり土手に腕立て伏せをして   (庸子)    

わかさぎの天婦羅カレー塩を添へ    (庸子)

公魚の草の匂ひを放ちけり       (庸子)

犬ふぐりよちよち歩き目を細め     (庸子)

いぬふぐり小さく跨ぎ風を踏み     (たけを)  

干されゐる公魚尖(トガ)る日和かな    (たけを)

雪残る絵馬からからと音たてり  (たけを)   添削:雪残る絵馬からからと音をたて

夜は星に力さずかりいぬふぐり     (まや)

着ぶくれて胸のふくらみ無くなりし   (まや)

雪降りて急に子供の増えてをり     (啓之)    添削:雪降りて急に子供の増えて来し

公魚の泪目こちら見てゐるよ      (啓之)

ゆくりなく雪見酒とはなりにけり    (遊)  

入れ喰ひの公魚釣の忙しき       (遊)

立ち話いつまで続く犬ふぐり      (けん詞)

揚げたての公魚の眼睨みをり      (けん詞)   添削:揚げたての公魚の眼の睨みをり

交番にくさめ響きて冴返る       (世志也)

わかさぎの皿に乗せたり梅の花     (世志也)   添削:わかさぎの皿に乗せたり梅の枝

公魚の天麩羅に振るバジルかな     (智子) 

胡坐かく尻のむずむずいぬふぐり    (智子)

花ひとつそれぞれひとつ犬ふぐり    (誠次郎)   

朝漁のワカサギ入荷墨太く       (流石)

公魚のくの字になりて重ならぬ     (おさむ)   添削:公魚のくの字への字の重ならず

玉砂利の隙間に小さき犬ふぐり     (正太)   

釣られたる公魚凍りゐたりけり     (九犀)   

これなあに幼の抓む犬ふぐり      (きみ子) 

   

平成二十年一月  初句会

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一月の句  行方 克巳

初手水己が十指をたのみけり

初渚一人はつひのひとりにて

初旅の車窓喪心なしとせず

ぽんかんの凸剥けば凹ありにけり

旅の如しやぽんかんを剥きやれば

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特選句

若水を汲む父の手の大いなる      (庸子)

初仕事机の上を片付けて        (庸子)

父に倣ひ汲みし若水父に供ふ      (九犀)   

幕間のごとき四日となりにけり     (九犀)

七五三縄をかはゆく結びドア冷ゆる   (桂紫)

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入選句

初御空雄心らしきもの少し       (たけを)    

ぽんかんの移り香のこす旅かばん    (たけを)    添削:ぽんかんの移り香のあり旅かばん

あいさつはありがとうだけお年玉    (たけを)

何するも若水汲んでからのこと     (たけを)

野良猫に一瞥されて日向ぼこ      (遊)

寒中の夜更け柱の割れる音       (遊)

神棚に若水供ふ父若し         (遊)

小寒や鼻ひろげては河馬沈み      (まや)

寒鯉の上目使いに睨み据え       (まや)    添削:寒鯉の上目使ひに睨みけり

寒鯉の取り取りの色重ねけり      (まや)    添削:寒鯉の取り取りの色重ねあひ

切餅の雑煮にも慣れ老い楽し      (九犀) 

椪柑の香の残りをり応接間       (九犀)

椪柑のぽんのあたりの愛らしき     (庸子)

ぽんかんを剥く部屋中に香らせて    (庸子)

竹筒に若水汲めり五十鈴川       (世志也)

顔ぶれの一人減りたり初句会      (世志也)   添削:顔ぶれの一人減りたる初句会

初夢や疝気の虫が駆け回る       (啓之)

子規の如天井を見て寝正月       (啓之)

しあはせといふ退屈や三ケ日       (教子)

脳みそのどこか弾けて初日の出     (教子)

ポンカンの出臍大きく愛らしく     (智子)

初刷を煙草飲みつつ擴げをり      (智子)

若水を先づは一口頂きぬ        (正太)

怠け心封じ込めたる初稽古       (正太)

歌かるた私の好きな「忍ぶれど」    (丘風子)

その父と子の声似たる初電話      (流石)

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平成十九年 十二月句会
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十二月の句  行方 克巳

沖の火も陸の灯も寝ず虎落笛             

鰭酒にちりちり焼かれ二枚舌                               

鰭酒や地獄極楽背中合はせ                 

虎落笛その一声(イッセイ)に父帰る                        

鰭酒に酔うていよいよ地獄耳

         
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特選句

先代の額の斜めに冬座敷      (智子)     

赤ん坊の残んのにほひ冬座敷    (九犀)              

河豚鍋にてかり男が額拭く     (誠次郎)  添削:河豚鍋やてかり男の額拭く    

ふぐさしや大皿にある波の色    (まや)  

あやしげな托鉢僧も師走かな    (遊)     

わが顔の歪みてねむる虎落笛    (庸子)

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入選句

猫舌といふ甘ったれとふぐ雑炊    (教子)  添削:ふぐ雑炊猫舌といふ甘ったれ

虎落笛のっぺらぼうの抱き枕     (教子)  添削:抱き枕のっぺらぼうや虎落笛

嫁といふお客さまなり冬座敷     (教子)

婚礼の朝の針箱冬座敷        (教子)

賛美歌は母の愛唱歌十二月      (教子)

ふぐ喰うべ母はポックリ逝く話    (庸子)

十二月髪逆立てて歩きけり      (庸子)

虎河豚の三白眼ににらまるる     (庸子)

廃屋の庭や八手の花盛り       (啓之)

闇中に電子飛びゐる虎落笛      (啓之)

不用品ためらひつ捨て冬座敷     (正太)

集落を突き刺す如く虎落笛      (正太)

風鎮の朱房重げに冬座敷       (丘風子)

鰭酒の気を吸ひこんでゴホンゴホン  (丘風子)

虎河豚の真白き腹の蔵すもの     (九犀)

虎落笛拉致の子未だ帰へらざる    (流石)

伽羅炷きし匂ひ残して冬座敷     (まや)

もがり笛顎まで浸かる露天風呂    (世志也)

ゆるぎなき卓真ん中に冬座敷     (たけを)

座布団まだ暖かき冬座敷       (節子)

てっさ皿いかがはしき絵現れて    (遊)

悪態のかぎりを吐(ツ)きて河豚呼ばはり (きみ子)

雀牌が熱気を帯びる冬座敷      (おさむ)

通される練炭匂う冬座敷       (誠次郎)  添削:通されて練炭匂ふ冬座敷

熱き茶に心をいたす冬座敷      (桂紫)

虎落笛物干竿を揺らしをり      (智子)

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平成十九年十一月句会

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十一月の句  行方 克巳

煮凝りを突(ツツ)きて我が血濁しけり

冬支度机をすこし片付けて

右のもの左にもせず冬用意

石蕗の花たれか見てゐる見られてゐる

たらちねのありし日のまま冬支度

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特選句

庭師来て空をゆさぶり松手入れ    (流石)   添削:庭師来て空をゆさぶる松手入れ

宅配の脚が働く小春かな       (流石)

堪(コラ)へ性なき亭主より冬支度    (遊)

病院の窓の外なる小春かな      (まや)

退院の日に向け母の冬支度      (智子)

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入選句

助っ人が来て冬支度過疎の村     (世志也)

軒滴(ケンテキ)の水貰ひ受け石蕗の花   (世志也)  添削:軒滴(ケンテキ)の水を貰ひて石蕗の花

小春日や犬半眼にショパン聴く    (世志也)

ご自慢のキムチオモニの冬支度    (世志也)  添削:ご自慢のオモニのキムチ冬支度

にこにこもうとうとも居る日向ぼこ  (節子)

冬帽子銀座の画廊はしごして     (節子)

垣根越しに声掛け合ふて冬支度    (たけを)

予報士の声弾ませる小春かな     (たけを)

歳時記の冬の部読むも冬支度     (啓之)

小春日のガラス戸のまだ汚れゐる   (啓之)

静電気飛ぶ十一月の始めかな     (啓之)

手馴れたり老いたる母の冬支度    (きみ子)

嗚呼妻に優るものなし石蕗の花    (きみ子)

授かりて初孫抱く小春かな      (きみ子)

昏るるより月待つ色の石蕗の花    (丘風子)

上げ降ろして子に着せてみて冬支度  (丘風子)

午後の日のめぐり来し路地石蕗の花  (九犀)

海の子の隙歯かゞやく石蕗の花    (九犀)

午前九時やぶからぼうの冬支度    (流石)

この路地は海の近道石蕗の花     (流石)    添削:この路地は海へ近道石蕗の花

蹲踞にとどく日ざしや石蕗の花    (まや)

宝石のやうに日当る山時雨      (まや)    添削:きらきらと日当りにけり山時雨

まだまだと腰のあがらぬ冬支度    (正太)

十三夜百薬の長歯に沁みる      (遊)     添削:十三夜百薬の長歯に沁みて

縁石の供花新らしく冬ざるる     (智子)

新妻の欠伸こらえて小春かな     (けん詞)

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平成十九年十月句会

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十月の句  行方 克巳

猿酒をふくみて猿にかも似たる

猿酒といひてたしなむ古酒一壺

つちのこを見しといふなる茸狩

十月の五日六日のすぐに過ぎ

十月の空や夕雲一刷きす

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特選句

猿酒の洞のごとくに隠れバー     (九犀)

星飛べり明日(アシタ)はきっと何かある  (遊)

十月の空はあの世を知ってをり    (流石)

山荘のきのこ鳥肌立つほどに     (庸子)

十月の洗顔の水掬う手も       (節子)    添削:十月や洗顔の水掬う手も

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入選句

ひとつ知りひとつ忘るる茸の名    (たけを)

鯊日和温もる舟の小座蒲団      (たけを)

白露に仔牛跳ねたき仕種かな     (たけを)

十月の蛇籠抜けゆく水の音      (たけを)

倒木の息を吸いをり月夜茸      (まや)

それっきり顔は合はさず茸狩     (まや)

猿酒やだまされて遠道を来し     (まや)

十月のさても際(キワ)やか物の影    (遊)

師に習ひ我も遊行や秋高し      (遊)

たっぷりと酒入れて炊く茸飯     (遊)

十月の湖北の空のすぐに翳る     (庸子)   添削:十月や湖北の空のすぐ翳り

魂のごとくに森のきのこかな     (庸子)

猿酒といはれ恐恐なめてみる     (庸子)   添削:猿酒を恐る恐るになめてみる

さよならと言ひたき日あり鰯雲    (流石)

声高に教えられたる毒茸       (流石)   添削:毒茸よと声高に教へらる

猿酒に酔ってまたぎの饒舌に     (流石)

十月の紺は働く色なりき       (九犀)

ましら酒鬼女伝説の里に酔ひ     (九犀)   添削:ましら酒鬼女伝説の里にして

松落葉ふっくら持ち上ぐ茸かな    (世志也)

十月のホコテン衣装とりどりに    (世志也)  添削:十月やホコテン衣装とりどりに

名も知らぬ茸もありぬ田舎汁     (正太)

それぞれの秘密の場所や茸狩り    (正太)

老犬の歩に合せ行く良夜かな     (教子)

十月の風が帽子を買はしけり     (教子)   添削:十月の風が帽子を買はせたる

廃鉱の入口ふたぎ秋桜群       (丘風子)  添削:廃鉱の入口ふさぎ秋桜

十月の波穏やかに散骨す       (きみ子)

熊用の笛を持たされ茸狩り      (誠次郎)

猿酒の樹に念仏して僧山居      (桂紫)

十月の風の匂ひや和歌の浦      (おさむ)

破芭蕉平氏の祠覆ひをり       (けん詞)

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平成十九年九月句会

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九月の句  行方 克巳

唖蝉が這ふ広島の木といふ木

邯鄲は鳴き細り人立ち代わり

邯鄲の一縷のこゑのとぎれなく

母若しレモン水ほの甘くして 

鉦叩いま打つは錫のティンパニー

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特選句

レモンかじるのっぺらぼうの夜の貌   (流石)     

皿小鉢触れ合ふ音の冷やかに      (遊)      

冷やかや膝小僧に手を置けば      (庸子)

クロールの腕に水の冷や冷やと      (文子) 

秋冷や露天湯に我が膝抱き        (まや)  

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入選句

レモン切って午後の紅茶を淹れにけり  (丘風子)  

吾子の墓桔梗咲きける早や五度     (丘風子)

冷やかに蝉の骸の裏返り        (文子) 

冷やかにスカートの裾ひるがへし    (文子)

雨垂れ止むや邯鄲の玲瓏と       (九犀)

日の本の日の恵み享けレモン熟る    (九犀)

強力な磁気持つ君や秋高し       (遊) 

感度良ささうな乳房やレモン水     (遊) 

トパーズの一滴レモンの一顆より    (啓之) 

邯鄲の最後の声か擦れをり       (啓之) 

パヴァロッティ逝くテノール忌といふべけれ (流石)

何屋ともわからぬ店の秋簾       (智子)

邯鄲のアクアマリンのやうな声     (庸子)

秋風をつかむ幼な子乳母車       (おさむ)

ソールムニエル特大レモン添へにけり  (正太)

平成十九年八月句会

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八月の句  行方 克巳

母の眸にいつまで子供新小豆

峡の日のあまねき小豆筵かな

流れ星駝鳥にわれに故郷なく

文庫本枝折りて置けば秋めける  

秋の夜やさらさら落つる砂時計

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特選句

糸屑の網戸に震へ今朝の秋       (九犀)     

小豆洗ふ悲しきこともありにけり    (九犀)      

秋立つや土器(かわらけ)投げしやうな月(文子)

楼蘭の砂のさざ波星流る          (文子) 

炎昼の死神背負ひ来たりけり       (庸子)  

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入選句

新物とシールを貼って小豆売る     (庸子)    

お手玉の古りて小豆のこぼれたる    (庸子)   

立秋の影やはらかくなりにけり      (庸子)    

流星やウルトラマンの真似をして    (庸子

小豆煮つつ鳩の愛咬見てゐたる   (遊)   添削:小豆煮つつ鳩の愛咬じっと見る

秋の波畳む渚の美術館         (遊)

風神が雲を蹴散らし今朝の秋      (文子)

すててこの夫を誘ひ流れ星       (文子)

平積みの新刊匂う秋立てり       (節子)

小豆煮え湯気の中より一抓み      (節子)  添削:小豆煮え湯気の中より一掴み

夏痩せの雀啄ばむポプコーン      (九犀)

今朝秋の替刃して髭剃りにける     (九犀)

ことことと小豆炊くかな母の影     (おさむ)

一礼し甲子園児の夏終わる       (おさむ)

遠き日と同じ風吹く今朝の秋      (流石)

就中小豆好みて壽(いのちなが)    (啓之)

首痛くなるまで仰ぎ流れ星       (智子)

今何時やあここは何処(いづこ)昼寝覚 (まや)

今朝秋の風は潮騒乗せて来し      (たけを)  

平成十九年七月句会

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月の句  行方 克巳

毛虫落ち一分別のありにけり

はたた神関八州をわたりけり

人質のごと桐箱のマスクメロン

冷酒のコップの底の分厚さよ  

受皿の冷酒(ヒヤ)一滴もあますなく 

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特選句

棒切れの先と戦ふ毛虫かな       (流石)     

エスカレーター尼僧涼しく下り来る   (流石)  

新聞紙くしゃくしゃにして毛虫焼く    (まや)    

きらきらと毛虫の棘に朝の露      (世志也)

冷酒やすぐまた先きを急ぐ癖       (桂紫)   

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入選句

大いなる毛虫の頤にひるみたる     (庸子)    

あごだけでぶら下がりをる毛虫かな   (庸子)   

雷に耳ふさがれてしまひけり       (庸子)    

てのひらに受けて干したる冷し酒    (庸子

バンダナをきりりと締めて毛虫焼く   (智子)

冷酒酌むはじめてボスに誘はれて    (智子)

短夜やきれいな背中見せ眠る      (智子)

看板になるまで粘り冷し酒       (智子)

あれこれと百円ショップ夏燕      (遊)

毛虫焼く鬼の形相したりけり      (遊)

冷酒のグラスの曇り嬉しかり      (遊)

遠雷や書きあぐねたる悔み状      (遊)

蠢きのさざ波に似て毛虫かな      (九犀)    添削:さざ波のごとく蠢く毛虫かな

寝ねがてに酌みし冷酒生温き      (九犀)

雷の遠ざかりゆく安けさよ       (九犀)

冷や酒を過ごし手をやるぼんのくぼ   (世志也)

雷に追われて駆ける九十九里      (世志也)   添削:雷に追はれて走る九十九里  

群がりて蟻運び行く毛虫かな      (世志也)

ぐうたらな己に一喝はたた神      (流石)    添削:ぐうたらな我に一喝はたた神

マリリンに出逢へさうなり夏の川    (流石) 

下校の子傘でチャンバラ梅雨晴間    (おさむ)

むせかえる青き匂ひの鬼灯市      (おさむ)

腰引いて毛虫の棲む枝を切る      (節子)    添削:腰引いて毛虫のたかるを切る

葉裏から葉裏へ伝ふ毛虫あり      (正太)    添削:葉裏から葉裏へ伝ふ毛虫かな

枡の縁に塩ちょっぴりと冷し酒     (丘風子)

ギヤマンのカット煌めく冷し酒     (まや)

悲鳴あげ腕の毛虫を落したり      (きみ子)

平成十九年六月句会

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六月の句  行方 克巳

街騒を封じ込めたる大夕立

大夕立白き緞帳下ろしたる

競べ馬楝は緑濃くしたり

大の字をひっくり返し天瓜粉  

血肉といふは愛しや天瓜粉  

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特選句

折紙の山線谷線梅雨近き        (遊)     

夕立雲あたりみりみる暗くなり     (遊)  

昼顔にみんな聞かれてしまひけり     (遊)    

乗尻は右方の佳けれ競馬        (九犀)

駒下駄の爪皮替えて梅雨楽し       (世志也)   

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入選句

校庭のプール滾らせ夕立ぬ       (九犀)    添削:校庭のプール滾らせ大夕立

亡一字加へし名簿梅雨深し       (九犀)    

蹄跡残りて深き競馬          (九犀)    添削:蹄跡深く残りて競馬

束帯の風も清しき競べ馬        (たけを)

今日からは梅雨だと思ふ日でありし   (たけを)

よき風に苺採る手を休めけり      (たけを)

広重の雨脚となる夕立かな       (まや)

ラムネ飲む雷門の傾ぎけり       (まや)    添削:ラムネ飲めば雷門の傾ぎけり

野良猫の車道を通る梅雨晴間      (まや)    添削:野良猫の車道をよぎる梅雨晴間  

負馬の首なでてゐる調教師       (流石)

浜昼顔日暮れは波の音ばかり      (流石)

夕立にオンとオフあり旅最中      (流石)

耳底に音を残して大夕立        (庸子)    添削:耳底に音残しけり大夕立  

競べ馬尾の一直線にかけぬける     (庸子)    添削:競べ馬かけぬける尾の一直線

干されたるシーツ眩しき梅雨晴れ間   (正太)

砂煙巻き上げ鎮め夕立去る       (正太)

近道の小石のふえし夕立あと      (おさむ)

雀荘に傘を忘れて走り梅雨       (おさむ)   添削:雀荘に傘忘れたり走り梅雨

半農の手植の苗の直ならず       (丘風子)   添削:半農の手植の早苗直ならず 

梅雨に濡れなまめく東京タワーかな   (世志也)

勝馬の昂ぶり未(イマ)だ収まらず    (遊)

辣韮の笊より零れ売られゐる      (啓之)

横顔は遠き日の彼梅雨晴間       (きみ子)

夕立や天の貯水池無限なり       (誠次郎)

 

安具楽俳句会の先生

行方 克巳  (なめかた かつみ)さん
昭和19年6月2日千葉生まれ
慶應大学在学中より清崎敏郎に師事

「知音俳句会」代表

俳人協会幹事、日本文芸家協会会員、俳文学会会員、日中交流倶楽部会員

第2句集「知音」により 第11回俳人協会新人賞受賞
句集に「無言劇」「知音」「昆虫記」

       

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知音俳句会


行方克巳さん(昭42文/昭46文修)と西村和子さん(昭45文)のお二人が代表の結社です。 
東京、大阪、神戸、名古屋、鎌倉と多数の句会を開催し、吟行も活発に行っておられます。


サイトから投句が出来て、会員はネット上の添削も受けられます。

     

『知音』とは?
昔中国に伯牙という琴の名手がおり、よき理解者、子期を得ていたが
子期の死により 伯牙は弦を絶ってしまった。
音を知るもの、つまり真の理解者、 仲間を得ることは何にも替えがたい、というところから、
俳誌を『知音』と名付けました。

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 俳句関連サイト

「増殖する俳句歳事記検索」清水哲男さんのデータ提供によるサイト

「日本伝統俳句協会」 高濱虚子の資料や歳時記、ネット俳句会、初心者添削教室等。

「社団法人 俳人協会・俳句文学館」

「現代俳句協会」オンラインで現代俳句が 満喫できる

「松尾芭蕉・みちのくの足跡」おくのほそ道 総合データベース

「一茶の俳句」

「虚子記念文学館」

「蕪村の俳句と絵画に関する論考」作品や俳書の目録等。

「正岡子規国際俳句賞」

「秋尾敏の俳句世界 」正岡子規を巡って近代俳句の成立を考える。作者の俳句や軸俳句会の紹介も。

「右脳俳句」パソコン句会もあります。

「四季の箱庭」 俳句を詠み込んだ写真を四季にわけて展示してあります。 

「室礼」しつらい 季節の行事、歳事暦のあるサイト。

「暦の情報が直ぐに手に入る」 そんなサイトです。

「植物園へようこそ!」

「動物の図鑑」

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